安全運転管理者制度

今月8日、アルコール検知器によるドライバーの飲酒検査が令和5年12月1日から義務化されることが、警察庁より発表されました。アルコール検知器によるドライバーの飲酒検査は、安全運転管理者の業務として追加されたため、安全運転管理者を設置している事業所が今回の義務化の対象となります。この機会に安全運転管理者制度について確認しておきましょう。

道路交通法施行規則第9条の10

法第七十四条の三第二項の内閣府令で定める業務(注:安全運転管理者が行わなければならない業務)は、次に掲げるとおりとする。

 自動車の運転に関する運転者の適性、技能及び知識並びに法及び法に基づく命令の規定並びに法の規定に基づく処分の運転者による遵守の状況を把握するための措置を講ずること。

 法第二十二条の二第一項に規定する最高速度違反行為、法第五十八条の三第一項に規定する過積載をして自動車を運転する行為、法第六十六条の二第一項に規定する過労運転及び法第七十五条第一項第七号に掲げる行為の防止その他安全な運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成すること。

 運転者が長距離の運転又は夜間の運転に従事する場合であつて、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、交替するための運転者を配置すること。

 異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示その他安全な運転の確保を図るための措置を講ずること。

 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。

六 運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。

 前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。

 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。

 運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと(法第七十四条の三第二項に規定する交通安全教育を行うことを除く。)。

安全運転管理者等の選任義務

安全運転管理者

使用する自動車が5台以上の事業所は安全運転管理者の選任義務があります。また、使用する自動車が5台未満でも乗車定員11人以上の自動車を使用する事業所は、安全運転管理者の選任が必要です。安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則は、令和4年10月1日より引き上げられ、50万円以下の罰金となっています。

副安全運転管理者

使用する自動車が20台以上の事業所は副安全運転管理者を選任する必要があります。副安全運転管理者の人数は、使用する自動車が20台の場合で1人、20台を増すごとに1人の選任が必要です。

安全運転管理者等の要件

安全運転管理者副安全運転管理者
20歳以上
(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)
20歳以上
自動車の運転の管理に関し2年以上の
実務の経験を有する者等
自動車の運転の管理に関し1年以上の
実務の経験を有する者等

欠格要件

  • 公安委員会の命令により安全運転管理者等を解任され、解任の日から2年を経過していない者
  • 下記の違反行為等をした日から2年を経過していない者
    • ひき逃げ
    • 無免許運転、酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転無免許運転にかかわった車両の提供、無免許運転の車両への同乗
    • 酒酔い・酒気帯び運転にかかわった車両の提供、酒類の提供、酒酔い・酒気帯び運転の車両への同乗
    • 酒酔い・酒気帯び運転、無免許運転、過労運転、放置駐車違反等の下命・容認
    • 自動車使用制限命令違反
    • 妨害運転(著しい交通の危険、交通の危険のおそれ)
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